そのときメルボルンでは
Fグループ最終戦となったオーストラリア・クロアチア戦を伝えるこんな記事があった。
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23日早朝、メルボルンのオーストラリア・クロアチア協会のホールには、約300人のサポーターが集まった。ほとんどの人が赤と白のクロアチアのチーム・カラーの衣装を身に着けているが、中には黄色と緑のオーストラリアのチーム・カラーのシャツも見える。クロアチアのジャージーの人たちもサッカールーのスカーフを巻いている人が多い。
オーストラリアのナショナル・チームにはクロアチア系オーストラリア人のプレーヤーが多いが、クロアチア・チームにもオーストラリア生まれのクロアチア人がいる。
2対2の引き分けでオーストラリアが決勝トーナメント進出が決まり、クロアチアが敗退となってしまった試合終了後、今の気持ちを聞かれた Julie Milicevic (43) は、「う~ん、嬉しい、でも悲しい。その程度の感動ね。私たちは、あなたたちが思うよりも、うまく感情のバランスが取れているのよ。」
Ms Milicevic の小さな息子は、クロアチアとサッカールーの模様を半々に縫い合わせたスカーフを着けていた。
クロアチアのジャージーを着た Peter Proksa (34) は、父親がクロアチア人で母はウクライナ人。だから、ウクライナのジャージーも持っているという。
彼は、試合を決めたかに見えたクロアチアの2点目のゴールの時には、歓喜の大合唱に加わっていた。
「僕は、自分の人生でも、ワールドカップでも、ずっとクロアチアを応援してきた。そこにはオーストラリアはなかった。」と、彼は言う。
試合終了後、「サッカールーが勝って幸せです。だって、僕はここで生まれ、オーストラリアを愛していますから。でも、クロアチアがだめだったことはやはり悲しいですね。」「我々はクロアチアが勝ち進むことを期待していた。しかし、他のどこかがとなればやはりオーストラリアであって欲しい。ましてやセルビヤなんかよりもね。」とユーゴ・スラビア時代の感情を匂わせる。
Steve Jakicic (31) は試合が終わった後腕組みをしたまま立っていた。彼はクロアチアのジャージーを着ていたが、驚くほど陽気だった。
「僕はクロアチアのカラーを着ているが、オーストラリアが2点目のゴールを決めたとき、今までと違う感動を覚えたんだ。」「自分の先祖やバックグランドには当然誇りを持っているが、オーストラリア人であることにも大きな誇りを感じている。」「オーストラリアのサッカーは素晴らしい。個人的には、次のステージではクロアチアよりもやってくれるんじゃないかなと思う。」
何千人ものファンが集まったフェデレーション・スクエアでも、感情が複雑に入り混じった光景が見られた。
クロアチアのジャンパーとスカーフを着けた Michelle Yugovich は、「悲しいけど、オーストラリアが勝って嬉しいです。素晴らしいゲームでした。徹夜をしてしまいました。仮病の電話を入れようかと思っています。」と笑っていた。
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オーストラリアの決勝トーナメント第1戦はイタリアとの対決となった。オーストラリアにはクロアチア系以上に多くのイタリア系の人々がいる。
オーストラリアは多民族国家である。これからサッカールーが勝ち進んでいけばいくほど、クロアチア戦に見られたようなサポーターの複雑な気持ちのぶつかり合いは繰り返されていくのだろう。

